経営
PMI(Post Merger Integration)-企業合併成功の鍵
2011年上半期における世界の企業買収・合併活動の規模は、約9,000億ユーロに上った。しかし、その失敗確率は成功率とほぼ同程度と見受けられる。最も大きな課題となっているのは、買収後の企業統合やシナジー創出を誤った方向に進めてしまったことにある。
新聞紙上を、超大型M&Aの記事がにぎわしている。グーグルは、モトローラ・モビリティを買収。ビール大手のサブミラー社はオーストラリア最大手のビールブランド、フォスターズの敵対的買収を行い、フィアットはクライスラーの株を過半数取得。米製薬サービスプロバイダーのエクスプレス・スクリプツは競合メドコ・ヘルス・ソリューションズを飲み込み、マイクロソフトはスカイプを買った。フォルクスワーゲンはマン社に飛びつく事で、国際商用車市場での成功を物にしようと考えている。果たして企業各社は将来を見据えた上で買収や合併を行っているのか。
トムソン・フィナンシャルは、2011年上半期の世界の企業買収・合併活動が、プライベート・エクイティにおける取引量を抜いて、約9,000億ユーロに達したと報じている。これは、対前年比50%増を意味する。しかしながら、失敗率は成功率とほとんど変わらないようだ。
最大の障壁は、企業の統合・シナジー創出を正しく行えるかどうかである。ローランド・ベルガー社の調査によると、専門家の回答のうち80%を占めた買収失敗の主要因がこれらによるものである。その他の要因も指摘されているが、その影響力は圧倒的に小さい。その中には、新しい企業のエネルギーを消耗させるカルチャーショック、チーフ・エグゼクティブらのエゴによって決められた途方もない買収価格、といったものも含まれる。こうした全ての要因が重なり、合併中・後の企業が新しい機会を十分にとらえる事が出来なくなっているのである。
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ドリーム・チームは規則性からは生まれない
今回調査した国際的大企業の80%が、経営上の課題として、「多様性と包括性(Diversity & Inclusion。以下D&I)」は大切であると考えている。法制度と人口動向の変化の中で、企業はより真剣にこの課題に取り組む必要が出てきている。しかし、効果的な「D&I」の展開を阻止する内的要因は数多く存在する。例えば、経営者の行動、企業文化、そして適切なガイドラインと人事プロセスの欠如である。このような状況は、改善されなくてはならない。何故ならば、成功した持続可能な「D&I」は、ドイツ産業全体に、年間210億ユーロの節約をもたらし、各企業に明確な競争優位性を提供することが可能とみている。このことは、スタディ"成功したD&Iマネジメント – ドリーム・チームは規則性からは生まれない"の研究から明らかになっている。
総合的D&I戦略は、真の利益を提供する
ローランド・ベルガーの本調査は、自動車、建設、エネルギー、化学、エレクトロニクス業界の40社の大企業について調査し、そのうちの4業界が、D&Iマネジメントを重要視していることを示している。D&Iは、女性や年配者や海外バックグラウンドを持つ人を採用することだけはでないと、ローランド・ベルガーのCSRグループのヘッドCarolin Griese-Michels は述べている。"各従業員の特定スキルや能力や労働形態を認識することは、企業へ真の利益を提供する総合的D&I戦略の重要な要素である。"
規則のない多様性
60%の企業が、D&I戦略を採用する主な理由は、政府の法律制定や現代労働人口の高まる多様化であると回答している。企業は、多様性の為にすべきことが多々あることを認識しているが、70%の回答者が、マイノリティー定員枠を法的に定めることに反論している。「最悪の場合、企業は資格が十分でないにもかかわらず、マイノリティーの誰かを採用したり昇進させたりしなければならなくなる」と、企業から寄せられた懸念をGriese-Michelsは説明している。
多様性の欠如の理由
問題の別の側面は、人々が家庭と仕事の相応しいバランスを見つける事を企業が助けられていない点である。「時には、企業はこれについては何の施策も行ったことがないケースがある」とGriese-Michelsは言う。「別のケースでは、従業員自身が彼らのキャリアへの不利を恐れる余り、オファーされているだけの利益を自ら受け取ろうとしない事がある」と述べている。また、その他の問題として、雇用プロセスがある。応募者の性別、年齢や国籍といった基準は、さほど意識していないと言われるものの、未だ採用上の重要な役割を果たしている。これはしばしば"セルフ・クローニング"と呼ばれる結果に終わる。すなわち、管理職の人々は彼ら自身に似た人を選ぶ傾向があるのだ。選抜委員会の構成は同質的であることが多いため、そのパターンに合う候補者が合格する可能性が高いのである。
http://www.rolandberger.com/expertise/publications/2011-05-09-rbsc-pub-dream_team_better_than_quotas.html
re: think CEO - Europe shows the way
昨今の金融危機は、欧州における経営モデルが米国モデルよりも勝っている事を証明した。長期的な視野、類稀なる生産技術、製品とサービスを区別して提供する能力や、多様性をクリエイティビティに昇華する能力といったところに、欧州の強さがあると言えよう。
当社スーパーバイザリーボード議長を務めるブルクハルト・シュベンカーによるre: think CEOシリーズの新著「欧州は道を切り開く―優れた経営モデルケース」で、これらの成果は説き明かされている。
シュベンカーの主張によれば、欧州におけるプロジェクトでは、欧州企業各社が昨今直面している4つの重要な課題・トレンドに気が付き、立ち向かえるよう支援していくべきだという。第一に、製造業にとっては、新しい市場戦略やエネルギーポリシー策定が事業強化の鍵になるだろう。第二に、企業のコーポレート部門は、グリーン技術が気候変動を止め、天然資源を守る挑戦のための新たな機会であると言う事に気付かなければならない。第三に、人口動態の変化は、移動・移住によって和らげられる必要がある。そして最後に、将来的な金融危機の恐れは、欧州レベルの破綻基準や通貨政策によって先制して対処されるべきである、としている。
http://www.rolandberger.com/expertise/publications/2011-02-14-rbsc-pub-Dreimal_drei_Prozent.html
Corporate financing is more challenging than ever
企業は、市場機会を開拓し、確実に規模拡張を目指す戦略を模索するため、それを可能にする強固な財政基盤を必要としている。金融危機の余波で、あまねく企業、 とりわけ中小企業(SMEs)は、 難しい状況にいることに気づかなければならない。
彼らは、来たるべき時代の資金調達において、より大きな限界と向き合うことを想定しなければならない。
現在と将来の資金補充計画のために確保しうる負債額は、金融危機以前より厳しくなっている。
融資と担保の構造はより複雑になり、例えばメザニンの終焉が物語るように、借り換えの必要性が増加している。
強固な財政基盤を確保することは、これまでになく重要かつ複雑である。
それは企業のための意思決定の中心領域で、最上位課題として認識されなければならない。
企業は、避けられない挑戦に対し、最高の解決策を発見する必要があり、正しい資金調達手段を選ぶために、企業自身が置かれている状況を理解する必要がある。
これらの難題に答えるために、ローランドベルガーの新たな研究では、金融危機後のドイツにおけるSMEsの財務状況と、スマートかつ持続可能な方法で将来の資金調達問題に立ち向かう方法を調査した。
本稿では、研究での主な発見と次なるアクションに向けた提言が記されている。
http://www.rolandberger.com/expertise/publications/2010-12-07-rbsc-pub-Corporate_financing.html
