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最新スタディ「アクセシブル・ラグジュアリーとデジタル化がもたらす機会と脅威」を発表いたしました。

2016年2月、東京発-

ローランド・ベルガーは、日本のアパレル市場に関する最新スタディ「アクセシブル・ラグジュアリーとデジタル化がもたらす機会と脅威」 (PDF, 2454 KB)を発表いたしました。本スタディでは、アクセシブル・ラグジュアリー市場の現状を分析したうえで、その成長をドライブする要因であるデジタル化の影響について考察し、国内アパレル企業に対する示唆を示します。

スタディ概要

国内アクセシブル・ラグジュアリー市場について

アクセシブル・ラグジュアリー市場(一般的には「手の届くラグジュアリー」と称され、シャツで2万円~、コートで10万円~程度の価格設定)が成長している。国内のラグジュアリー市場は、過去3年間ほぼ1兆円で推移している中、弊社の調べではアクセシブル・ラグジュアリー国内市場規模は現在約4,000億円で、2011年以降年9%で成長を継続している。

背景としては、ラグジュアリーの顧客の一部が相次ぐ値上げと可処分所得の伸び悩みによりラグジュアリー・ブランドから離れ、アクセシブル・ラグジュアリーの価格帯に流れていることが市場拡大の構造的な要因として大きい。また、ラグジュアリーよりも身近で、自らのライフスタイルの中で“自分ごと化”できるアクセシブル・ラグジュアリーに消費者がより親近感を覚えている側面も市場の成長要因となっている。加えて、近年はアクセシブル・ラグジュアリーのブランドの多くが中国でも人気であり、インバウンド需要によるかさ上げも大きい。

 
 

加速化するデジタリゼーション

アクセシブル・ラグジュアリーの成長をドライブするもうひとつの要素として、デジタル化がある。デジタル化がファッション業界にもたらす影響は様々なものがあるが、最大の影響は「ブランドと消費者の近接化」である。ブランドと消費者の近接化は大きく三つのインパクトをもたらす。第1に、より本質的なブランド力が勝負を分けるようになることである。第2に、SNSをはじめとするデジタルマーケティングの重要性向上である。第3に、小売業の中抜き化である。また、デジタル化は業界の川下だけでなく、川中・川上にも影響を及ぼす。例えば、アパレル業界で標準的な川上・川中・川下の分業体制をオンラインプラットフォームでバーチャルに繋ぐことで仮想的な垂直統合を実現するようなプレーヤーも登場している。

国内ファッション産業に対するインパクト

アクセシブル・ラグジュアリーとデジタル化の波は、川下から川上まで国内ファッション企業の優勝劣敗を加速化するという脅威をもたらす。ブランド力は程々でチャネルや店頭の販売力で売上を作っている国内ブランドの淘汰は益々加速化し、海外ブランドの躍進は当面続くだろう。特に、ミドルアッパーからアクセシブル・ラグジュアリーの価格帯でこの傾向は顕著となる。一方で、アクセシブル・ラグジュアリーとデジタル化の波は脅威だけでなく、一定の機会ももたらす。

第1の機会は、アクセシブルラグジュアリー領域におけるジャパニーズ・ラグジュアリーの確立である。ラグジュアリーに比べ価格のこなれた当該市場は日本勢にとってチャンスである。なぜならLVMHグループ、エルメス、ケリング等が牛耳るラグジュアリー市場と比較すると、当該市場における競合ブランドはコングロマリット化していないため、企業体力も日本企業と近く比較的戦いやすい相手だからだ。加えて、日本勢には、海外勢にない強みがある。それは、国内に良質の生産背景を抱えているということだ。これらを上手に活用すれば、魅力的なブランドを創れる可能性は十分にある。ただし、忘れてはならないのはいかに産地と連携しようとも、メードインジャパンをアピールしようとも、品質以前に“ブランド”として魅力的でないと消費者には継続的に支持されないということである。「コンセプト」、「クリエーション」、「プレゼンテーション」すべてが一貫性を持ちハイレベルに整ったブランドを作ることが今後の成功の鍵となる。

第2の機会は、マスカスタマイゼーションである。生産技術の発展により、労働集約的であったアパレル産業においても、効率化や省人化が進み従来できなかったようなカスタマイズ商品やサービスが出始めている。ラグジュアリーブランドがバッグや靴のオーダー会を開くと顧客が殺到するように、パーソナルオーダーは根源的にニーズが高いサービスである。

Feb 16, 2016
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